5月講座レポート

2021年5月22日(土) 
吉田健一(よしだけんいち)先生
(鹿児島大学稲盛アカデミー准教授)  
テーマ「当面する日本の政治課題―経済・外交・内政―」

 

  昨年5月予定の講座が新型コロナのため中止。1年間お待たせして、「当面する」内容も変化する中、自分の立ち位置に配慮されながら、90分間一気呵成にお話しいただいた。

  1月時点では読めなかった「コロナ対策」「オリンピック」「衆議院選挙」、5月末でも分からない状況。政権側と野党側を半々に説明後、今後の展望に言及された。最初に、菅義偉政権と安倍前政権を歴代政権と比較しながら説明。安倍政権の特徴は①戦後まれにみる復古主義的イデオロギー色の強さ、②改憲へのあくなき執念にある。一方、菅政権は①イデオロギー色はかなり薄い、しかしその分②露骨に新自由主義色が濃い。目の前の課題解決には長けた実務家ではあるが、大きな国家観、政治論が全くない。国民の「自助」を強調した総理大臣は初めて、政治の存在意義からは危険な発想。菅体制は③事実上の自公維政権。合流立憲民主党は、事前に綱領案を示したため、前の民主党ほど「何でもあり」ではなくなった。野党共闘の足を引っ張ってきたのは国民民主党(+連合右派)、分裂の火種を事前に取り除けたことになる。

  本年の大きな政治日程は、①すべてはコロナ次第、行き当たりばったりの菅政権のコロナ対策、ワクチン接種も不透明。②東京五輪・パラリンピックが中止となるか?③解散総選挙の時期、または任期満了選挙なのか?次期総選挙も菅内閣で実施されると思われる。総裁選が先にあって菅総理がほぼ無投票当選、その後、総選挙になるのではないか。理由のすべてはコロナ、コロナ禍の下、政争は避けるべきの党内世論。コロナが収束しない中での衆院選は、シナリオ1「五輪・パラリンピックが中止になった場合」、菅政権が続く限り、任期満了選挙となる可能性が極めて高い。シナリオ2「五輪・パラリンピックが行われた場合」、高揚した雰囲気が残っているうちに解散する可能性はあるが低い気がする。

  今年もこの後、何が起きるかは誰にも分からない。今年、衆議院選挙があることだけは確か、与党も盤石ではなく野党は戦いやすくなっていると言えるかもしれない。