2月講座レポート

2022年2月26日(土) 
古木圭介(こぎけいすけ)先生
(地方創生&ツーリズム・コンサルタント)
テーマ「『鹿児島の観光産業の未来』~国際化、情報化、人材育成について~」

 

    パワーポイントを使って、歯切れのよい、スピード感あふれる語り口、体験に裏打ちされた様々な事例が矢継ぎ早に紹介され、あっという間の90分、その迫力に圧倒された。

    昭和41年鹿児島で「(株)グローバルユースビューロー」をスタート。兄弟3人がオーナー。バブルの頃、知覧カントリークラブ常務取締役。18歳~35歳の35名のキャディー募集、一人一台ずつ軽自動車貸与を条件に50数名が集まった。1250万円の会員券に1000人の応募。異常な日本の状態を味わった45歳。次は、サンロイヤルホテルの立て直し。太陽国体以後20年間赤字続き。在職8年、後半の4年は完全な黒字。会社の体質改善が奏功。会社経営の一番の勉強になった。その後、当時の知事から肥薩おれんじ鉄道立て直しの依頼、60歳半ばだったが、鉄道に憧れがあったので引き受けた。沿線七つの自治体と話しながら、地方創生とは何かを勉強する最高の場所になった。観光路線、「おれんじ食堂」という列車を作った。社員の90%はJR九州の出向社員、その行程で社員に夢が湧いた。働く人は夢を与えると動き出す。オープンしたときは、3月から9月まで、すべて満席。

    50代~70代にヒマラヤ、アルプス等登山。昨年は大谷翔平等、日本人が活躍、奄美の遺産登録、出水ラムサール条約登録、霧島神宮国宝、どのようにこれらを活用していくか。振り返ると、この55年間でインバウンド35万人が3188万人に。日本の観光産業は、この10年間でインバウンド依存型に、鹿児島県も同様。日本人は長期休暇が少ない、人の目が気になるが本音、自分の人生を面白くなくしている。2023年度鹿児島県予算案は観光と農水産業にかなりの予算配分。この予算をどう活用していくか。観光が伸びれば農水産業も伸びる。観光産業復活のシナリオ、2023年以降にインバウンド復活。私見として、近未来には航空路線を欧州⇒上海⇒鹿児島、ヨーロッパ人を鹿児島へ。鹿児島空港をハブ空港に。

    マリオットグループ、ラグジュアリー向け民宿等、様々な富裕層向けホテルを紹介しながら、富裕層を狙った戦略の必要性を力説。旅人はアウトドア、人とのふれあいを求める。欧米人の富裕層は自然の中を歩く旅を好む。好奇心をくすぐる旅、不便を楽しむ時代に。アドベンチャーツーリズム、ホテルとの組み合わせで、長期間滞在できるような仕掛けが必要。鹿児島の目指すべき観光産業のビジョンは、「観光地づくり」から憧れの地としての「リゾート地づくり」(屋久島、奄美群島などの離島、錦江湾、霧島連山、薩摩、大隅半島、北薩エリア)へ。そのための人材づくり、高度人材マネジメントが求められている。