5月講座レポート

2023年5月20日(土) 
安川あかね(やすかわあかね)先生先生
(城山観光人材開発部部長 SDGs推進室室長)
テーマ「持続しながら進化するSHIROYAMAHOTEL KagoshimaのSDGs」

 

 

     城山ホテルのSDGsは、全員参加が大きなテーマ。数年かかったが、ようやく全員参加に成功、自信をもって披露できる。これまでの経緯と意識変容について。2019年12月、SDGs宣言。現状と問題点「①トップダウンで浸透していない ②幹部社員も何から手をつけていいのか分からない ③一部の社員だけの取組 ④自分事化できない ⑤余計な業務を増やしたくない」。新型コロナウィルス国内初感染、2020年4月26日から5月31日まで創業以来初の全館休業。2日間の幹部社員の合宿研修。「危機感の共有、SDGsの自分事化、対話の重要性、変革と挑戦、全員参加」を確認。2021年3月にエコマーク「ホテル・旅館」認定取得、4月にSDGs推進室設立、6月に「2021 SHIROYAMA SDGs AWARD(社内全部署、全従業員参加型コンテスト)」の開催。部署の垣根を超えてチームをつくり、年間を通じて取り組んだSDGs活動を、独自性・先見性・持続可能性やチームワークなどの観点で評価し表彰するもの。

      環境・社会・人権を基準に、それぞれ具体的取組項目を体系化。城山ホテルの4つの課題「食品ロス・CO2削減・環境保全・脱プラスチック」。「食品ロス」では食品残渣・調理残渣・ビール醸造残渣・供給過多。食品残渣ではレストラン宴会場での取組、調理残渣では生ゴミ削減機導入、残渣を活用した商品開発等、売れ残ったパンを鹿児島こども食堂地域食堂ネットワークへ寄付。「CO2削減」では3つの課題と対策、エネルギー削減・効率化でカーボンニュートラルガス導入、電力供給で太陽光発電の導入等、客室での取組でエコフレンドリーオーダーフォーム(連泊するお客様への客室清掃に関する意思表示カード)。「環境保全」では、食物残渣をたい肥にして城山の森に撒く循環型の取組。地産地消、地域連携の取組を定期的に。各地域の特産品を使った料理やお土産の紹介、観光地の案内。ホテルの敷地内での養蜂活動、高校生をインターン生として募り、ミツバチ石鹸の開発等。「脱プラスチック」では代替え素材への切替、紙ストロー、紙パック等へ。アクリル板を活用したSDGsバッジ、60周年記念バッジに。コンテスト優勝チームのテーマは「食品ロス削減」、パンの売れ残りの解消、消費期限間近の商品廃棄問題の解消、「パンを冷凍してみよう」、20℃保管で30日間保存可能を実証、子ども食堂への配布が可能に。

     そして現在「①ボトムアップで全員参加に成功 ②若手が牽引することで幹部も動いた ③④かかわることで自分事にできた ⑤業務の延長にすることで負担軽減」。「エコマークアワード2021」で優秀賞受賞、日本ホテル協会主催「社会的貢献に対する会長表彰」最優秀賞を2021、22年に受賞。「創業60年、これからも地域とともにあり続けます」と結ばれた。