11月講座レポート

2019年11月23日(土) 
豊島浩一先生
 (南日本新聞社編集部副部長)  
テーマ「連載『精神障害とともに』と、その後」

 

 

   南日本新聞社は、精神障害や精神障害者への社会的な偏見や差別をなくするため、「共生社会づくりを進めるための提言」をシリーズの目標に、2016年9月から2017年6月まで、73回にわたる長期連載「精神障害とともに」を掲載した。

   鹿児島県の精神障害者が置かれた状況について、患者、病院、地域等、様々な角度から、取材担当者としての体験を通して話していただいた。

 日本は、精神病床数、入院患者数、入院日数が多く、なかでも鹿児島県が最も多いこと、「身体障害」「知的障害」「精神障害」の三つの障害のうち、「精神障害」に光が当てられない現状、医療より隔離が優先するハンセン病との類似点。マスコミの責任を痛感し、2014年には取材への理解を示す病院長からマスターキーを渡され2週間泊まり込んだが、取材のスキルがなく5回の連載でストップしたこと等、熱っぽく語られた。この失敗を踏まえて2016年に専従班が置かれ73回の連載が始まった。

①実名、顔出しを原則

 (精神障害者が障害と向き合って、生きている姿を記事に)、

②マイナス部分を隠さない

 (当事者の納得づくで記事に)を原則にしたとのこと。

 入院患者よりも、地域に住む通院患者を増やすための制度設計の必要性。うつ病や依存症を含め4人に1人が精神障害になる時代、それをカミングアウトできる環境づくり。アパートや住居の確保、働く場所の提供等々、患者を地域で支える共同体づくりのために、何よりも「共に生きる」私たちの意識改革が必要であることを痛感しました。