6月講座レポート

2020年6月13日(土) 
伊牟田均(いむたひとし) 先生
(鹿児島大学監事、鹿児島県観光プロデューサー)  
テーマ「平成の時代を振り返って

 

 

パワーポイントを使いながらの講義、画面上に現れる豊富な資料に圧倒されました。戦争のない平和な時代「平成」が、自然災害、目まぐるしい政権交代、バブル崩壊後の「失われた20年間」等、波乱の時代であったこと。多くの課題が先送りされていること。日本が抱える問題点として3D(デフレ・債務・人口)を挙げ、デフレスパイラル、赤字国債の増加、人口減少と少子高齢化が、平和で安寧を願った「令和」になっても放置されていると強調されました。追い打ちをかけるように多発する天災人災、日本の国力の凋落、強権国家の台頭と協調から分断へ、さらに新型コロナの問題。私たちが抱いている不安の中身を資料に基づきながら分析されました。今後、公的年金の破綻、子どもや孫がツケを払わされる未来、不満の増大による社会不安が懸念されるとのことでした。

ポストコロナの時代では、①国連が定めたSDGs(持続可能な開発目標)の取組が加速 ②(今回の危機による)政府の権限強化の見直し ③田園都市の時代へ(大都市集中の脆弱性) ④デジタル対応の時代へ ⑤価値観が簡素・健康・利他へ、以上を掲げ、第4次産業革命(ITC5Gの時代)にあっては、イノベーションを活用して新産業・企業の創設が必要とされました。

最後に、「観光産業」は日本の現実から脱却するための成長戦略であること、新型コロナ後のキーワードは「健康」、とりわけ鹿児島県にはウェルネス(健康、癒し、元気、長寿)の源となる素材が豊富にあることから、他と差別化してITCを活用し発信する産官学連携の強化が必要であると結ばれました。