11月講座レポート

2022年11月19日(土) 
柳田一郎(やなぎたいちろう)先生
(環境カウンセラー)
テーマ「環境カウンセラーの思い」

 

 

「生きて帰れたら、この講座で」、そんな気持ちで大病を克服されたとのこと。永年、鹿児島県行政職に勤務。消防防災課で離島救急と災害対策担当に始まり、自然保護行政や観光行政にも携わり、屋久島環境文化財団、霧島アートの森、みやまコンセールで、「発表する勇気」を教わり、後の文芸活動(自然保護文学、筆名は柳瀬良行)にも繋がった。再任用後は農業行政の現場にも。

話の一つ一つが実践に基づいており、具体的で多岐にわたっていた。環境省の環境カウンセラーや鹿児島地域パークボランティア等のほか、日本自然保護協会自然観察指導員、日本野鳥の会かごしま県支部長等、種々の肩書や資格を有し公的団体や民間団体で様々な活動に携わるとともに、『霧島の自然』『屋久島物語』『知林ヶ島物語』等、著作活動にも励んでこられた。

環境カウンセラーの定義、環境カウンセラー登録制度の説明後、「シェアリングネイチャー」(自然の恵みの分かち合い)の考え方に基づく「ネイチャーゲーム」の一つ「ノーズ」(ヒントから、その生き物を推測し特徴や生態を学ぶ)を紹介、私たちもゲームに参加した。「自然観察会」の実例として「ずぶ濡れ!ネイチャーウオッチング」を紹介、自然観察のルールの説明、自然体験3大原則「自然に親しむ、自然を知る、自然を守る」、自然観察3大原則「採らない、殺さない、名前にこだわらない」、そして指導者像として「自然観察が好き、自己研鑽に努める、声を鍛える」等を掲げられた。「インタープリテーション」(理解・伝達困難な事象を、分かり易い言葉や道具、態度などにより伝える技術)を活動の原点として、4つのT(体験に学ぶ、互いに学ぶ、楽しく学ぶ、地域から学ぶ)を柱に、感性を大切に、情熱的に、好奇心をもってメッセージを発信すること、これが文学への気づきとなったと説明、『鹿児島県の野鳥』『鹿児島のすぐれた自然』は、環境アセスメントの参考図書でもある。

最後に「基本は環境カウンセラー、口先でなく実際に活動してきたものを少しでもお役に」と結ばれた。諸々の実践活動が、自然保護文学を含めて、先生ご自身の表現活動であり、インプットだけでなくアウトプットを同時に進めることの大切さを学んだ。