10月講座レポート②

2019年10月26日(土) 
齋藤美保子先生
 (元鹿児島大学教育学部准教授)  
テーマ「鹿児島の子どもの貧困と子ども食堂」

 

 

「子ども食堂の果たす役割」

 

  10月26日の講座は、子ども食堂の活動に関わっている齋藤美保子さんに、子供の貧困、日本社会の現状、子ども食堂が果たす多面的な役割について、お聞きしました。齋藤さんは鹿児島大学教育学部の准教授、今は水産学部の研究員として研究を続けている方です。

  齋藤さんによると、鹿児島県の子どもの貧困率は20%で全国で下から3位、貧困の原因は親の貧しさで衣食住が不十分で子どもの発達に影響があり、また親の養育放棄や虐待の要因にもなっている親世代の非正規雇用が増え収入が低いことや、社会保障制度の不備が貧困の要因になっています。

  子ども食堂は全国で約3,200あり、鹿児島県には70ほどが活躍中。形態は様々ですが、子どもたちに食事を提供すると同時に親たちにも開放しています。運営しているのはNPO、地域の社共、ボランティア団体と多様で、これに生協や農協、飲食店、フードバンクなどが食材の提供などで協力し、個人の協力もあります。 

  大学生や高校生たちも積極的に協力しています。子ども食堂で子どもたちはお兄さん、お姉さんたちに遊んでもらい、勉強を教えてもらったり、地域の大人たちと触れ合い、食事だけでない楽しい時間を持つ場になっています。 

  このように子ども食堂は、子どもたちの全人格的な発達を支える機能を果たす場にもなっています。私たちはこの活動がひいては社会を良くしていく力になることを理解したいと思いました。