2月講座レポート

2020年2月15日(土) 
馬頭忠治(ばとうただはる) 先生
 (鹿児島国際大学経済学部教授)  
テーマ「現代の教育改革と地域づくり

 

 

「日本は教育大国ではない」、パワーポイントを使って、戦後教育の負の部分を浮き彫りにされました。「日本国憲法」の前文が謳う国民主権や「教育基本法」の教育の目的や方針、「世界人権宣言」第26条の精神が実現されていないとして、子どもの貧困率の上昇、教育格差、拡大する格差、学歴社会、生活スタイルの都市化、東京一極集中と地域社会の状況等、教育を受ける権利が社会的に保障されていない実態を示されました。親の経済的貧困→教育格差(学習・体験機会の喪失)→子どもの低学力・低学歴→不安定な就業・社会的排除→親の経済的貧困、負のスパイラルから脱却できない現状、子育て世代への支援不足、奨学金制度の不備、社会が人を育てることをしていない、社会保障制度の空白→社会喪失→会社本位体制→集団主義→人権意識の欠如から、日本は福祉国家ではなく日本型企業社会であると指摘されました。

「高等教育の無償化」によって、①教育の受益者負担原則から社会が支える教育に転換することが可能になる。②教育の社会的責任を追及でき、教育が地域創生の土台をつくりうる。また、脱《経済成長と官僚主導、日本型雇用制度》が可能になるとのことでした。  

格差を生まない、格差をなくする社会をつくるため、憲法や教育基本法に返ること、「我々大人は何を考えなければならないのか」という言葉で結ばれました。