1月講座レポート

2020年1月13日(月・祝) 
佐潟隆一 先生
 (南日本新聞社代表取締役社長)  
テーマ「マスメディアが置かれている状況〜特に新聞の現状について〜

 

 

新聞が置かれた厳しい現状、存在意義、今後の展望等について、全体像を描いていただきました。ニュースの入手手段としてはテレビの後塵を拝しながら、情報の信頼度ではトップを占め、読者が減少するなかで県紙・地方紙が健闘している。購読者減で起きている事象として、①取材網の縮小や配達・印刷の委託、②スポーツ・文化事業の見直し、③権力チェックや情報発信力の後退、④活字離れで読解力の低下(PISA調査結果)、「新聞を読む子ほど好成績」(全国学力・学習状況調査の分析)など、数値を示しながら具体的に説明していただきました。交番よりも多い販売所、新聞は地域のインフラであり、コミュニティを維持していく要素であると強調されました。

 

業界の取組として、南日本新聞社は公式サイト「373(みなみ)」、デジタルサービス「373る」等、スマホで、離島の方にもタイムリーな情報を伝達。NIE(教育に新聞を)・NIB(ビジネスに新聞を)の活動で、新聞の読み方や文章の書き方、情報の活用の仕方等の社会貢献。販売所の「見守り活動」では、4000人の配達員が地域に目配り気配りをしていること等、私たちの生活に広く深く浸透している「新聞の姿」を説明いただきました。

最後に、地方紙の役割について、①地域の方々に正確な情報を、②権力の監視、説明責任を果たすメカニズムのための橋渡し役、③地域の発展をどうサポートしていくかを掲げ、「かごしま国体」を機に、地域がどう変わっていくのか、どう変わっていかなければならないのか、じっくり観察し、考えてほしいと結ばれました。