1月講座レポート

2024年1月8日(月) 
前田久男(まえだひさお)先生
(桜島どんぐりころころ植樹祭実行委員会事務局長、桜島どんぐりの森管理委員会会長)
テーマ「どんぐりころころ植樹祭~地球に緑を、桜島を緑に」

 

 

     当造士館講座副運営委員長。永年、本県公立中学校教諭・校長を歴任、野球部の監督として全国大会に出場、「生徒指導の前田」と呼ばれるまでに子どもたちと関わった。平成12年、退職校長を中心に「桜島どんぐりころころ植樹祭実行委員会」の立ち上げ、退職後、平成21年に事務局長就任。第20回植樹祭後、手入れが不可欠ということから令和3年に管理委員会会長に。一連の実践には、38年間の教育者としての熱い思いが流れる。

 和讃の紹介、「差別をしない、子どもと一緒に活動する、個性の尊重」は教職生活の糧。「生徒が認められる場面づくり」「共同作業で生徒の些細な頑張り・善行の称賛」がやる気・奮起を起こさせる。これが教師としての物差し。子どもの健康は教師の①言葉掛け②眼差し(目の表情)③笑顔。生徒指導とは情緒の安定、ポイントは①環境の整備②秩序の維持(所属感の高揚)③人間関係の構築。学校現場の実践が「どんぐりころころ」や町内会長としての社会活動にも生きている。
 植樹祭は、国交省の管轄、桜島の黒神川・野尻川・長谷川の「のり面」に植樹依頼、鹿児島市も環境保全課管轄の採石場跡地に。発端は故鈴春夫校長、退職後、県学校緑化研究会長として学校緑化・学校林・学校花つくり啓発に奔走、各学校に「緑の少年団」を立ち上げ「一人一鉢運動」の啓発活動。「ダイナミックな植栽活動は感動を呼ぶ」が先生の言。人が環境をつくり、環境が人をつくる、後片付けは明日の準備等、鈴先生に感銘を受け、平成8年から県学校緑化研究会の事務局長。平成12年の実行委員会の理念・目的は、青少年健全育成、環境教育、植栽感動体験活動。桜島を照葉樹の森に。地球環境保全への関心・意欲の高揚へ。近隣の緑の少年団と連携、実行委員(巡回指導員)が学校に出向き、どんぐりの種蒔きから鉢上げ等の育苗指導、3年間育てた苗を植樹。多数の参加団体、多数の構成団体と協賛団体に支えられた20年間。砂防や森林ボランティアの拡大も視野に。植栽苗はアラカシ・マテバシイ・ウバメガシ、桜島で採種(生態系の厳守)。植栽の実際、下刈り・追肥活動の紹介。中学生の植栽後の感想は「3年間大事に育てた苗、丁寧に植えた」「初めてツルハシを使って、協力してできた」「地球温暖化貢献が分かり誇りが」「1200本植栽された全景を見て感激」等々。令和元年環境大臣表彰、令和4年内閣総理大臣表彰、国土交通大臣表彰。