2024年3月16日(土)
濵田雄一郎 先生
(濵田酒造代表取締役社長)
テーマ「本格焼酎を真の國酒へ、更には世界に冠たる酒へ」
テーマは、平成6年社長就任の折に社内発表。低迷していた焼酎が、今や日本酒と並んで認知。京セラ創業者稲盛和夫氏との出会いで、経営や事業の何たるかを教えられ、勝手に「不肖の弟子」と称している。最初に会社の概要説明。課税数量の推移、右肩下がりの清酒に比して、70年代以降に焼酎ブーム。本格焼酎は、品質的に素晴らしい酒、日本が産んだ蒸留酒、価格の安さは品質の問題ではなく酒税の安さに拠る。それと気づいた消費者の再評価、酒税が上がり値段が上がるたびに消費が拡大、今や量的には清酒と拮抗。しかし、少子高齢化、人口減、業者間の競争から状況は厳しい。鹿児島県に111の蔵、本格焼酎のメッカは鹿児島。県も戦略産業として再評価。2022年焼酎メーカー売上高ランキングで第4位、グループ社を合わせると全国で3番手の焼酎メーカーに。結果を出せたのは稲盛経営哲学の成果。
1868年創業、敗戦を経て1951年に株式会社に、社是は「敬天愛人」。1975年に22歳で代表取締役専務として入社、厳しい経営状態の中、挑戦と失敗を重ねながらの自問自答、結果①真の自立自興を ②市場実態の認識不足 ③力量以上の事業展開 ④中長期的戦略が曖昧。「異端児と呼ばれても市場の支持を得て生き残る、本格焼酎が真の国酒となるため為すべきことは?」と覚悟。1991年「盛和塾」に入塾。稲盛氏とのエピソード紹介。稲盛氏の「経営の原点12か条」をベースに、「自立自興」「本格焼酎を真の国酒に」「敬天愛人」を事業活動に落とし込み、新機軸を打ち出す。1994年社長就任、社是・理念・方針・目標・具体的計画等、濵田マネジメントシステムを発表。伝統・革新・継承の「三味一心」をテーマに、伝兵衛蔵、傳蔵院蔵、金山蔵を立ち上げた。2006年、伝兵衛蔵の1棟が消失。稲盛氏から激励と「天の啓示」との言葉。来訪された折、「経営戦略の拠点はどこだ!借金依存体質から脱皮せよ。」との教え。革新期から成長期へ。第3次中期計画(2016~2018)で内的エネルギーによる成長への転換、稲盛哲学の実践編の勉強、濵田フィロソフィ手帳。機関車型から新幹線型へ、全員が自走する経営に。フィロソフィとアメーバ経営の両輪経営を目指した。
その後、地域未來牽引企業に選定、国際規格「FSSC22000」認証取得、グッドカンパニー大賞優秀企業賞の受賞等、数々の受賞。濵田売上石数の成長が続く。現在、第5次中期計画2年目。経済の構造変化が加速し不透明な状況下では、具体性を持った方向性の提示が必要。全員参加の経営で変化に対応できる事業構造の強化を図る。本格焼酎を1000億円の輸出産業に、その主力は鹿児島。結果を出して、その結果が地域、業界、日本、人類社会のお役に立てるような本格焼酎にしていきたい。