6月講座レポート

2025年6月14日(土) 
出口定昭 先生(鹿児島県退職校長会副会長)
テーマ「今、教育は?」

 

   テーマを考えたとき、頭に浮かんだのは「不易流行」と「温故知新」。教育公務員歴50年(学校と教育委員会38年、南さつま市教育長12年)、学校は村立・町立・国立、行政は地教委・本庁・文部省、最後は鹿児島市立伊敷中学校長。最初の赴任地は甑島、下甑の片野浦の子岳中学校、校歌に「西のはて」と。冬の季節風が激しく、雨戸を閉めての授業。村立19名の生徒数。一昨日、喜寿の祝いへの招待状が届いた。担任した3年生、8歳しか違わない。英語の先生が来たのは初めて。勉強の習慣をつけるのが大変。力づくで鍛え上げるやり方だった。色々な職場を経験した。学生には「生涯一教師」、しかし勤務する場所は、適材適所、色々な所があると話している。「離島は教育の原点」、教育は親が子にするもの、離島では5時が過ぎてからも、時に親代わりになった。波止場から飛び込んで離任者を見送る高校生。4月は、集落を挙げて大歓迎。本土でも枕崎の鰹のびんた料理や加治木の特大加治木饅頭の歓迎等、先生ならでは。  

   現在、義務教育学校(小中一貫校)、中等教育学校(中高一貫校)が。かつて、南さつま市は、小22校、中8校。地域で育てる学校(コミュニティスクール)の先駆けとして、小中学校を統合した小中一貫の坊津学園を設立。子どもの発達に応じたタイムリーな教育が必要。玉川学園や東京大学との交流も。今年、鹿児島市に夜間中学校が開講。行政は10課、出先機関が7、教育機関が10、教育委員会が19市20町4村に。岐阜県との教員交流や校種間交流、日本人学校やJICA(国際協力機構)への派遣。多くの職場が教職員を待っている。

学校はPDCAサイクルで回る。現在、養護教諭、栄養教諭、事務職員が管理職に。教育基本法第17条で「教育振興基本計画」、教育界の羅針盤。コンセプトは、持続可能な社会の創り手の育成、日本社会に根差したウェルビーイングの向上。鹿児島県も令和6年度に5年計画策定、結果を議会に報告。退職校長会は、鹿児島大学の教員養成を支援。教員には、次の発想が求められる。①医者的、②学者的、③指揮者的、④易者的、⑤役者的、喜怒哀楽を出しながら生徒の心情に寄り添う。今、「GIGAスクール構想」の下、ICT活用、タブレットを使った授業。いじめ問題等、保護者対応に苦慮する学校現場、どうか学校理解、教育理解をお願いしたいと結ばれた。